近年、パリオリンピックへの出場権獲得、バスケットボール世界選手権での熱戦、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の成功などが影響し、日本国内でバスケットボールへの注目が高まっています。
これにより、「日本のバスケットボールリーグにはどんな特長があるのだろう?」「バスケットボールは本当におもしろいスポーツなのか?」と関心を持つ人が増えています。
例えば、横浜ビーコルセアーズで活躍する河村勇輝選手や、千葉ジェッツの富樫勇樹選手、宇都宮ブレックスの比江島慎選手、サンロッカーズ渋谷のジョシュ・ホーキンソン選手など、国際舞台での輝かしい活躍を目の当たりにしたいと多くの人が思っていることでしょう。
そこで、日本におけるバスケットボールリーグ、AリーグとBリーグの特徴と相違点についてご紹介します。
AリーグとBリーグの相違点・違いとは?
Aリーグに関しては、2013年から始まった日本のバスケットボールリーグ「NBL(NATIONAL BASKETBALL LEAGUE)」のことを指します。このリーグはBリーグよりも長い歴史を持っています。
一方で、Bリーグは2016年に発足した比較的新しいプロバスケットボールリーグです。
Bリーグは、「バスケットボールを通じて日本を盛り上げる」というモットーのもと、地域名をチーム名に採用し、ホームタウンの概念を確立、専用アリーナや練習施設の確保、ファンクラブや支援団体の組織化など、サッカーJリーグの成功要因を取り入れて設立されました。
Jリーグの初代チェアマンである川淵三郎氏が主導する「JAPAN 2024 TASKFORCE」が、日本のバスケットボール界に長く存在していた問題を解決し、Bリーグを完全なプロリーグとして成功に導くための重要な役割を果たしました。
日本のバスケットボール界におけるNBLの全貌
日本のバスケットボール界では、現在「Aリーグ」という名称のリーグは存在しません。
2012年に日本バスケットボール協会が発足させた新しい国内リーグであるNBL(NATIONAL BASKETBALL LEAGUE)がスタートする際、「Aグループ」と名付けられた12のトップチーム(NBL)が一時的に「Aリーグ」と呼ばれたことはありますが、この名前で公式に運営されたわけではないのです。
2013年から2014年シーズンでは、以下の12チームがNBLに所属していました。
2013-2014シーズンのNBLチーム一覧
- レバンガ北海道
- 宇都宮ブレックス(旧リンク栃木ブレックス)
- 茨城ロボッツ(旧つくばロボッツ)
- 千葉ジェッツ
- サンロッカーズ渋谷(旧日立サンロッカーズ東京)
- アルバルク東京(旧トヨタ自動車アルバルク東京)
- 川崎ブレイブサンダース(旧東芝ブレイブサンダース神奈川)
- シーホース三河(旧アイシンシーホース三河)
- 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(旧三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)
- 神戸ストークス(旧兵庫ストークス)
- 熊本ヴォルターズ
- 和歌山トライアンズ
これらのチームの名前からもわかるように、企業名を前面に出したチームと地域名のみを掲げるチームが混在しており、本来は完全プロリーグとして始動する予定でした。
しかし、既存の企業チームとの調整に難航し、計画は途中で立ち消えになりました。
そして、NBLは2016年6月にその活動を終え、歴史の幕を閉じることになりました。
日本のプロバスケ界を牽引するBリーグの概要
Bリーグ、正式にはジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグと呼ばれ、2015年4月1日に設立された日本のプロバスケットボールの主要リーグです。
2023-2024シーズンでは、第一部(B1)と第二部(B2)にわかれ、国内のトップクラブが競い合っています。
B1リーグのクラブ
- 東地区: 北海道、仙台、秋田、茨城、宇都宮、群馬、千葉J、A東京
- 中地区: SR渋谷、川崎、横浜BC、富山、信州、三遠、三河、FE名古屋
- 西地区: 名古屋D、京都、大阪、島根、広島、佐賀、長崎、琉球
B2リーグのクラブ
- 東地区: 青森、岩手、山形、福島、越谷、A千葉、新潟
- 西地区: 静岡、滋賀、神戸、奈良、愛媛、福岡、熊本
日本代表選手の多くがBリーグで活躍しており、海外でプレイする3名を除いた9名が以下のチームに所属しています。
- 富樫勇樹:千葉ジェッツ
- 河村勇輝:横浜ビー・コルセアーズ
- 比江島慎:宇都宮ブレックス
- 西田優大:シーホース三河
- ジョシュ・ホーキンソン:サンロッカーズ渋谷
- 原 修太:千葉ジェッツ
- 井上宗一郎:越谷アルファーズ(B2)
- 吉井裕鷹:アルバルク東京
- 川真田鉱也:滋賀レイクス(B2)
BリーグはB1、B2、そしてセミプロのB3リーグで構成されており、以下の組織がそれぞれを運営しています。
- B1・B2リーグ:
公益社団ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
[公式サイト]https://www.bleague.jp/ - B3リーグ:
一般社団法人ジャパン・バスケットボールリーグ
[公式サイト]https://www.b3league.jp/
試合は「バスケットLIVE」を通してライブ配信されますが、B3リーグの試合は含まれません。
また、リーグ間での昇降格制度があり、シーズン終了後、最下位2チームが下位リーグへ降格し、上位2チームが昇格するシステムがファンの間で大きな関心を集めています。
まとめ
2026年を目処にBリーグは大規模なリニューアルを予定しており、その変貌はただならぬものになるでしょう。
具体的には、現在の第一部(B1)を「Bリーグプレミア」へと改名し、第二部(B2)を「Bリーグワン」、第三部(B3)は「Bリーグネクスト」とする新しい構造を導入します。
これには、ドラフト制度の開始やサラリーキャップ制度の導入など、リーグを更に魅力的かつ競争力のあるものに育てるための革新的な試みが含まれています。
この大胆なリニューアルは、「非日常の興奮とエンターテイメントを提供するスポーツ観戦」というコンセプトを掲げ、ファンがアリーナに訪れた瞬間から特別な体験を享受できるようにすることを目指しています。
この変化は、スポーツファンにとって非常に待ち望まれたものです。
バスケットボール世界選手権での日本の印象的な活躍は、国内でのバスケットボール人気を飛躍的に高めました。
この熱狂は新聞の一面を飾り、ニュースやエンターテイメント番組で頻繁に取り上げられるようになるなど、その盛り上がりを物語っています。
アグレッシブなプレイ、劇的な逆転、高速かつ精密な技術、トリッキーな動きで観客を魅了し、歓声で一体感を生むバスケットボールの魅力は、アリーナでの直接観戦でしか味わえない特別な体験を提供します。
世界選手権でバスケットボールに興味を持った方も、長年の熱狂的なファンも、新たなBリーグの時代がもたらすバスケットボール観戦の楽しみをこれからも存分に味わっていただきたいです。