二人目欲しいけど、経済的に厳しい…。
2人目の子も育てられるサポートないのだろうか。
生活費や養育費、自分の年齢や仕事の環境など
様々なことが絡み合い、第2子以後の出産を
躊躇ってしまうことを「2人目の壁」と呼んでいます。
特にこの2022年の「夫婦の出産意識調査2022」では、
約7割以上が「二人目の壁」を感じていると回答し、
過去最高の割合となっています。
1人目のお子さんが2歳頃になれば、
そろそろ2人目を考えたりするにも関わらず、
一歩踏み出せない理由をよく見てみると深刻なものでした。
現実を見据えると、どうしても躊躇してしまう。
この心理が働く家庭が非常に増えている中、
お金の問題や保育園の問題が特にぶち当たる壁です。
そこで二人目の壁を感じてしまう大きな理由と
経済的問題や保育園問題を支えるサポートについて調べてみました。
2人目の壁を感じる理由の9割近くが「経済面」
子供は天使、と表現されることも多いですが、
自分の子供は本当可愛いですよね。
私も幸いなことに子を2人授かり、
生意気で腹が立つ時もありますが
それ以上に私が生きる理由を与えてくれる
大切な存在であることは間違いがありません。
そして家族は多い方が良い、とも思う反面、
養っていけるのかという心配も付き纏います。
二人目の壁の大きな理由は「経済面」
2人目の壁が生まれてしまう大きな理由は「経済面」と言われています。
事実、2人目の壁を感じている
夫婦の9割近くが「経済面」を理由に挙げています。
この根底にはさまざまな
社会的負担が増えているのに収入が増えない、
という現実があります。
2022年の今って、消費税も10%よね…。
加えて、少子高齢化が進んでいることからも
少ない人数で1人の高齢者を
支えなければならない状況となってしまっています。
1960年代には高齢者1人を11人で支えている計算でした。
しかし現在ではほぼ2人で1人を支えている状態。
このまま進めばほぼ1人で1人を支えなければならなくなると言われています。
その中で公私におけるさまざまな負担は増加する一方。
端的にいえば給料が増えないのに負担は変わらないどころか増えて行く一方です。
ここ30年、日本の給料は上がっていない
最近では日本の給料はこの30年上がっていない、
という発表もされていますね。
収入が増えず、自分が生活するのがやっとの状態。
他人を養う余裕がない状態の中、
「養っていけるのか」と不安を感じてしまうのは
やむを得ないのかもしれません。
この心理が「2人目の壁」問題の
最も大きな要因であることは間違いがないでしょう。
私もなんとか2人を養っているものの、
生活は楽ではありませんし、
蓄えは持てずにいますので老後が心配な日々を過ごしています。
特にこれから夫婦となり、子を持ちたい
という世代はより不安なのではないでしょうか。
この2人目の壁を乗り越えるための対策方法などはないのでしょうか?
2人目の壁を乗り越える対策「行政・福祉サービス」はあるか?
2019年10月より、
3〜5歳の幼稚園・保育園・認定こども園などの
保育料を無料とする「幼保無料化」の政策が取られています。
私は恩恵が受けれませんでしたが、
無料であったと想定すれば
家計は非常に助かっていました。
この政策は2人目を検討する夫婦の心理面に大きく働くと思います。
現時点では0〜2歳は対象外となってますが、
こちらも無償化となれば、より効果を発揮する政策ではないかと思います。
そしてもう一つ。
不妊治療が2022年4月から
保険の適用となったことも大きい出来事です。
私は幸いなことに、
望んだタイミングで子を授かりましたが
その際に不妊に悩む夫婦の数に
驚かされた記憶が強烈に脳裏に焼き付いています。
僕の友人は、かなり時間が掛かっていて、
1回ダメだったら、また最初から…を3度ぐらい繰り返してる。
経済面でも凄く辛そうだったし、精神面でも結構参ってたよ…。
胸が痛かった。
治療費も相当な高額であり、
自分の身に置き換えれば、
その負担は計り知れないことにも衝撃を受けました。
何故保険が適用されないのか、
とやるせ無い思いを抱きましたが、
保険適用化により経済的負担がグッと減ることは
不妊に悩む夫婦にとって本当に大きな希望となるのではと思います。
2人目の壁の最も大きい理由「お金」経済的にどれ位用意が必要?
子供1人を21歳まで育てるには、約1300万円が必要とされています。
2005年に内閣府が発表したデータのため、
当時からの物価変動も考えると
現在は上がっているかもしれません。
しかし一つの目安にはなるかと思います。
単純計算すれば、
2人を養育するとなると約20年で2600万円。
年間130万円が必要という計算ですね。
日本人の平均年収は報道でよく耳にされるのでは無いかと思います。
その額は約440万円。
そして30年ちかくの時間を経ても
その平均額はほとんど変わっていないことも指摘されています。
サラリーマンの平均年収も
余裕が感じられるほどの額となっていないことは悲しいところです。
そしてこのうち、
20年間近くの間年130万円が消えていく、
しかも平均年収は税引き前ですから、
手取り額からすればその負担割合は非常に高くなります。
負担が大きすぎる…。
2人目どころではなくなってくるよ…。
21歳までとなると、
高校から大学までの想定ですが、
中には高校生の年齢から働くといったケースもあるかもしれません。
私たちが生まれる相当前の時代には、
それこそ小学生ほどの年齢から
「丁稚奉公」に行き働く、
といったことも歴史の授業で習いました。
ですが国力をつけるには教育が大事であり、
現代の日本では「義務教育」として
全国民が中学生までは教育を受けることを義務付けられています。
その義務教育を終了するまでにかかる費用はどれくらいとなるのでしょうか?
2人目にかかる義務教育(小学校・中学校)の費用はどれぐらい?
義務教育の期間とは
小学校の6年間と中学校の3年間とされています。
小学校
まずは小学校の6年間について。
公立の小学校に通わせる例をとれば、
文部科学省の調査によれば
1年間の教育費は約32万円という結果が発表されています。
それに加えて給食費は年間5万円ほど、
また教科書代や学校内外での活動費用など
学校による変動要因が大きいと見られるものは除かれています。
中学校
中学校では公立中学校で同じく
文部科学省の調査によれば
約50万円が1年間に必要とされています。
給食費も小学校とほぼ変わらずの年間5万円ほど。
これに加えて中学校では
クラブ活動も盛んとなり
活動費や遠征費といった費用がかかってきます。
またほとんどの家庭では
高校受験を目指すこととなるでしょう。
子供の将来のためだもの。
力になれるだけ力になりたい思いはいっぱいあるのに…。
その場合、勉学費用も必要となってきます。
計9年間の教育費と給食費を合わせれば、
約400万円となってきます。
年間平均は40万弱が最低でも必要となってくる計算です。
子が2人となれば単純に倍額の80万近く。
年収が大きく伸びない中で、
負担がぐっと増えるとなれば、
2人目に躊躇してしまうのも頷けます。
2人目の壁問題を支える支援金:社会的サポート
日本国としても深刻に進んでいる
少子高齢化対策として様々な政策を実行しています。
その政策を有効活用しない手はありません。
いくつかの社会的な支援内容をご紹介していきます。
児童手当
0歳〜2歳児までは15,000円、
3歳以上からは10,000円を毎月の計算で、
年3回に分けて支給される制度です。
ただこの手当には、所得制限があります。
定められた額以上の所得の家庭には
減額されて支給されるので注意しましょう。
医療助成
居住する自治体により差がありますが、
通院や入院の費用が全額負担なし、または大幅に減額されます。
中には15歳までの助成がある自治体もあります。
幼保無償化
2019年4月より
3〜5歳の幼稚園・保育園・認定こども園などの
保育料が無料化となっています。
3年間とはいえ決して高くない保育料が
無料となるのは大きいですよね。
出産一時金
健康保険の制度で、
妊娠4ヶ月以上の方が出産した場合は
一児につき42万円が支給される制度です。
不妊治療の保険適用
2022年4月より開始された制度で、
従来全額自己負担であった不妊治療に対し
保険が適用されることとなりました。
不妊に悩む夫婦にとって負担であった
治療費用が軽減されることは、
大きな前進であると個人的には感じます。
さて様々な政策が取られているとはいえ、
まだまだ残された問題はあります。
それは「保育園」です。
「保育園」問題も重要な悩み…。壁に感じる大きな理由とは?
共働きの家庭において、
子供を預ける先がないことは
非常に大きな心配ごとです。
昭和時代とは打って変わって、
近年では共働きの家庭が増加しています。
この20年で共働き世帯が
専業主婦世帯を逆転した調査結果も出ているくらいです。
私も子を2人育てておりますが、
正直、妻にも働いてもらって、やっとの生活。
貯金もままならず、将来が不安な気持ちは拭えません。
子を授かった年齢は収入も多くなく、
子を預けて働かなければならない、
しかし預けるにも負担が大きいし、
さらには預ける先も限られているという
現実が大きくのしかかっていたのを記憶しています。
今思えば乗り切れたのは本当に運が良かったから、
と思えますが、運という不確定な要素に
全てを委ねてしまうのも得策とは言えません。
経済的に余裕があり一生安泰といえるのは、ごく少数。
出産後もすぐに働きたいと思う人も多いですし、
かといって職場に子を連れていくわけにもいきません。
保育園の必要性
だからこそ、保育園は非常に重要な役割を果たす場所。
その保育園も、
保育士不足や保育士の負担の大きさから
全ての乳児を預かるだけの数が不足しています。
いわゆる「待機児童問題」と呼ばれるものですね。
これには様々な要因が絡んでしまい、
構造的な問題であると言えるでしょう。
不条理には感じながらも
すぐには解消されるものではない問題でしょう。
だからこそ、まずは私たち自身で
できることをしていくのも重要なこと。
そのためにも保育園問題で
考慮するべき点を洗ってみましょう。
「保育園問題」考慮すべき点を把握しておこう
2人目を授かるタイミングは人により様々だと思います。
上の子が例えば小学校の高学年以上であれば
ある程度の世話は可能です。
上の子に下の子の面倒を見るのを
少しずつお願いできるかも。
そうなれば下の子の保育園だけに集中できますが、
年子や上の子も3歳未満である場合は
2人とも預ける必要が出てくるのでハードルは高くなると言えます。
転園・同時入所申請
例えば1人目が
既に保育園に通っている状況の場合、
新生児の申請を機に転園をすることも一つの方法です。
新生児と上の子を同時に入所申請が可能なため、
別々の保育所とならず手間や負担の軽減が図れることとなります。
また0歳児、1歳児の子を持つ場合は
申し込み定員が他年齢に比べ
多く設けられていることがあります。
会社の育休制度の環境にも左右されますが、
1人目の育休期間に2人目を妊娠し出産、
0歳・1歳児の同時入所申請を行うことで
申請の受理のされやすさにつながることも期待できます。
子育て支援の手厚い自治体
また許されるのであれば、2人目の妊娠を機に
子育ての支援が手厚い自治体に引っ越しをすることも一つの方法です。
自分の所属する会社の制度と、
居住する自治体の制度や待機児童の状態など、
置かれている状況をしっかりと把握した上で
どのような方法をとるべきかをしっかり考えることが大事ですね。
2人目の保育園に関する助成金やサービスはある?
さて、預かり先は見つかったものの
そこが公立なのか、または私立なのか
という問題も大きく頭を悩ますものと言えます。
負担する金額が大きく異なりますし、
下手をすれば稼いだ分が全て保育費用に消える
ということもありました。
そうなると果たして預ける必要があるのか
ということにもなりますが、
様々な理由で仕事を辞めるわけにはいかない、
という現実もあります。
子どものためには時間作りたいけど、
やめると収入がかなり不安定になる。
そのような現実が
少子化に突き進む理由となっていることを危惧し、
2019年より「幼保無償化」の政策が実行されることとなりました。
3歳から5歳の子がいる場合、
- 幼稚園や認可保育所
- 認定こども園
- 企業主導型保育
等、施設利用費が無料となる制度で、
公立や私立の区別はありません。
子供には色んな刺激を受けて
どんどん成長していってほしい。
だから、場所があるのは凄く助かります。
0〜2歳児も対象にすべき
という声は上がっていますが
まだ実現には至っていません。
ですが従来は支援がなかった
費用面が無償になるのは
子育ての大きな支えとなるでしょう。
早く0歳児からの対象となることを願ってやみません。
まとめ
今回は2人目の壁について見ていきました。
「小さい時は手がかかり、大きくなるとお金がかかる」
といったTV CMがあったことを記憶していますが、
現実を目の当たりにすれば、まさにその通りだなと実感する毎日です。
ですが今の私たちがここにあるのも、両親が子を信じて教育してくれた賜物。
しかし働けど働けど暮らしが楽にならない現実もあります。
現役世代として働く中、
企業にしても政策にしても
十分なサポートがあるとは言い難いことも実感してきました。
その中で少しずつではありますが、
様々なサポートが出てきたことは素晴らしいこととも思います。
子は将来の日本を支える大切な存在であることは間違いありません。
家族の絆であったり、
なんでもない家族との団欒の日々が
いかに人生を豊かなものとしてくれるか。
受けた愛情のバトンを渡していくためにも、
使える制度は利用して子を育てることを全うしたいものです。
また、これから子を授かりたい、
と考える世代にとって希望の持てる国となるように
私たち一人一人ができることをしなければならないですね。