残業時間はエクセルを使用すれば
素早く簡単にまとめることが可能です。
残業代は労働基準法で定められている「割増賃金」であり、
未払いがあれば刑罰が課せられることもありますので
正確に計算する必要がありますね。
特に近年は長時間労働が問題化し、
国を上げて削減を進める中で労働時間の
正確な記録というものの重要性は
非常に増していると言えるでしょう。
その中で、エクセルは
様々な勤務時間計算のシーンで
使用されている計算ソフトとなります。
正しい計算式を入れれば
正確な解答を導き出してくれる優れものです。
それでは基本的なエクセルでの
残業計算を見ていきましょう。
残業時間の計算方法:基本的な考え方
残業時間計算は、手動計算時は以下のように計算しますよね。
終業時刻(24時間表記) – 始業時間(24時間表記)
– 定められた勤務時間 – 休憩時間
エクセルでは単純に引き算をしていけばOK!と思えますが、
このままでは定時勤務日は「###』が表記されてしまいます。
そこで活躍するのが「IF関数」。
意外と知らない方も多そうですね。
IFとは英語で「もしも」の事。
「もし1の場合はA、2の場合はB」といった表を
一つ一つ手作業で埋めていくのはものすごく大変ですよね。
そんな時、このIF関数を使えば
瞬時に計算し判断してくれるのです。
「残業時間が0となった場合は、表に記載しない。
残業時間がでた場合は、その時間を表に記載する」
という指示を出すことが可能となります。
詳細は以下リンク先を参照してください。
さて、実際に計算してみると分単位が
30分とか40分と丸まってしまいますが、
これを正確に分単位で表記することは可能なのでしょうか?
残業時間の計算方法ポイント:分単位の処理
エクセルでの時間計算時、
分単位が丸められてしまう初期設定となっています。
そのため、分単位の表示を行うためには
「セルの書式設定」を行う必要があります。
- メニュー「書式」 → 「セル」をクリック。
- 「セルの書式設定」ダイアログ → 「表示形式」タブをクリック。
- 「分類」欄 → 「ユーザー定義」をクリック。
- 「種類」欄に「[mm]」と入力。
- 「セルの書式設定」ダイアログ → 「OK」をクリック。
また「HOUR関数」と「MINUTE関数」を使用し
セル上に「時間」「分」が各々の単位で
算出されるように分類させることも可能です。
5分〜10分単位で残業代を支給するところもあれば、
30分単位に区切って残業をカウントするところもあったりと
会社によって様々です。
30分単位の計算のとき、例えば
31分にタイムカードが切られたなどといった場合、
極端にいえば00分ちょうどとして
カウントしなければならないこととなります。
そのような端数が出た場合、
エクセルでの計算方法はどうすれば良いのでしょうか。
残業時間の計算方法ポイント:端数の処理
まずは前述の
「HOUR関数」と「MINUTE関数」を使用し、
残業時間を時間単位と分単位に分類します。
分単位の残業時間欄は
例えば「17分」「2分」といったような
細かい分刻みで記載されている形となると思います。
これら端数となる数値を、
例えば30分単位に切り上げる場合は
「CEILING関数」と呼ばれるものを使用することとなります。
この関数は「選択したデータを
指定した基準値で切り上げる関数」となり、
「=CEILING(数値、基準値)」と記入します。
すると、「基準値」として設定された
値の倍数の中で、「数値」として
設定された値に最も近い値に切り上げられることとなります。
事例として、
「数値」=286・基準値100とした場合、
基準値の3倍値となる300に数値が切り上げられる、
という仕組みになります。
ただ、例えば18時1分にタイムカードが押されたとして、
それを18時30分まで働いたという
カウントをしているところはおそらく皆無でしょう。
そのようなことが認められたら
皆1分すぎた時点でタイムカードを押しますからね。
そのようなことを防ぐためにも、
「何分以内までは00分カウントとする」
などという規定を設けているところも多々あると思います。
さて、この場合は切り捨て計算が必要となりますが、
これは「FLOOR関数」を用いれば解決できます。
CEILING関数の逆で、
「指定した基準値で切り捨てる」計算式となります。
先ほどの事例:
「数値」286・基準値100とした場合は、
100の2倍の数の200まで切り捨てられる計算が行われます。
使ってみると非常に便利、
様々なシーンで活躍する関数ですよ!
お昼時にちょうど、お昼休憩の時間を5分単位で切り上げとか切り捨てしながら集計したいというご相談がw
— 吉田 拳@Excelの㈱すごい改善 (@sugoi_kaizen) November 20, 2020
Excelで時間を切り上げ切り捨てする場合はFLOOR関数とCEILING関数を使います。
時間に限らずいろんな値を指定した単位で切り上げ切り捨てできますよ。
まとめ
時間計算は手で行うにはものすごく大変ですよね。
でもエクセルの計算式も
普段使わないと覚えるのも大変ですし、
ついつい手計算に頼ってしまうこともあるのでは?
でも、覚えてみれば意外と簡単だとは思いませんか?
覚えてしまえばあとは応用していくだけ。
業務のスピードアップと同時に
周りからも頼られる存在となっていきましょう!