3月3日は桃の節句、ひな祭りですね。女の子を出産したお母さんは初節句になります。春の代名詞とも言える行事「ひな祭り」ですが、その由来や意味については意外と知らないという方も多いのではないでしょうか。
女の子が健やかに育つことを祝う伝統的な風習「ひな祭り」についての豆知識をご紹介します。
ひな祭りの配置をイラストで解説
2月になり、そろそろお雛様の準備も考え始めている方もいるのではないでしょうか。
ケース飾りのように元々配置が決まっており、固定されているもの以外のお雛様はご自身で飾ることになると思います。でも「年に一度のことなので配置を忘れてしまった・・・」なんてことも。毎年のことでも時間がたつと忘れてしまうものです。
そうならないためにも、お雛様を仕舞う際、来年飾る時のために写真を残しておくと、毎年困ることもなくなりますよ。これから購入される方は展示されている状態を写真に残したり、カタログなどをお雛様と一緒に保存しましょう。
では、今お困りの方へは配置をイラストでわかりやすく解説しているもの(https://toushitu-life.com/hinadoll-kazarikata-3357)があるので、参考にしてみるといいかもしれませんよ。
ひな祭りの由来って?
ひな祭りの由来をご存知ですか?
ひな祭りは江戸時代に定められた、季節の変わり目である「五節句」のひとつで「上巳(じょうし)の節句」にあたります。
古来より「上巳の節句」には厄を人形に移して海や川に流す「流しびな」の風習があり、この風習と、紙の人形でおままごとをする「ひいな遊び」が結び付き、お雛様を飾って女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」になったと言われています。
ひな祭りの人形はいつまで飾る?
ひな人形はいつから飾るのが適正なのか、そしていつまで飾るのがよいのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。昔からの行事ですので気になってしまいますよね。
お雛様を飾る時期は、一般的に立春(節分の翌日)から2月中旬にかけてが良いとされています。「節分で豆まきをして厄を払ったあとに飾る」と覚えてるといいと思います。遅くてもひな祭りの1週間前には飾るようにしましょう。
お雛様をしまう時期については、ひな祭りが終わるのは新暦の3月3日ですので、その翌日あたり~1週間以内くらいを目処に片付けるのが良いとされています。ちなみに『雛人形をしまうのが遅れると、婚期が遅れる』とよく聞きますが、これは『ちゃんと片付けができないようでは、きちんとした女性になれず、お嫁さんにもなれませんよ!』と、しつけの意味をこめての言い伝えとなります。
ひな祭りに食べる食べ物はどんなものがある?
ひな祭りには古くから伝わる伝統的なお祝い料理があります。春の訪れを伝える旬の食材が使われており、それぞれの料理や色には縁起のいい意味が込められています。
【ちらし寿司】
代表的なメニューであるちらし寿司は、もともと祭礼の日の料理として作られることが多かったので、ちらし寿司そのものにいわれはありません。「寿(ことぶき)を司る(つかさどる)」という意味合いから、お寿司は縁起の良いものと考えられ、お祝いの席であるひな祭りにピッタリという事で食べられるようになったとされています。
使われる食材には、地域によって違いはありますが、海老には“長寿”、レンコンには“先の見通しがきく”、豆には“健康でまめに働ける”、筍には“すくすく育つ”などの意味があります。
【はまぐりのお吸い物】
ふたつに分けたはまぐりの殻は、決して片割れの殻以外とは合わないことから、“良い相手にめぐり合える”“ひとりの人と生涯連れ添う”と考えられ、夫婦円満の象徴とされています。
【菱餅】
菱餅は赤(ピンク)・白・緑の餅を3段に重ねて、菱形に切ったもの。この3つの色には、見た目の可愛さ以上に、子供の成長を願う意味が込められています。赤(ピンク)には“厄除け”の意味があると、昔から言われています。実際の菱餅は赤というよりは桃色ですが、これは桃が持つ“魔除け”の意味も込められています。白は清らかさの象徴。“長寿や子孫繁栄”を願う意味も。
緑は大地の象徴。こちらにも“魔除け”や、芽吹く力強さからの“健康”の意味が込められています。
【ひなあられ】
ひなあられは菱餅を外で食べることができるようにと、菱餅を砕いて作ったという話が残っています。色には、白“大地のエネルギー”、赤(桃色)“生命のエネルギー”、緑“木々のエネルギー”を持っており、食べることで自然のエネルギーを体内に取り込み、“健やかに成長できますように”という願いが込められています。
ひな祭りの歌といえば?
ひな祭りの歌といえばサトウハチロー作詞の「うれしいひなまつり」ですね。誰しもが聞いたこと歌ったことがある童謡だと思います。お祝いする行事の歌なので明るい歌詞だと思われていますが、じつはこの歌には悲しいメッセージも込められた、少し切ないエピソードも秘められていました。
この歌が作られた1935年のころ、サトウハチロー氏は当時、子供を引き取って離婚したばかりでした。淋しい思いをさせた子供たちにひな人形を買い、しばし楽しい時を過ごした様子を歌にしたと言われています。
2番の歌詞の中にある『お嫁にいらした姉さまに』の歌詞の中にある「姉さま」はサトウハチロー氏の実姉です。彼のお姉さんは、嫁ぎ先が決まった直後、結核によって18歳という若さで亡くなってしまいました。サトウ氏は、せめて歌の中で姉を嫁がせてあげようという思いを込めて、この歌を作ったとされています。
今まで何気に口ずさんでいた歌も、歌詞に込められた悲しい意味を知ると、少し印象が変わったのではないでしょうか。ですが、この歌は日本人なら誰もが聞いたことがある名曲。これからも愛され、大切に歌い継がれていくということですね。