天然ガス自動車とは、
窒素酸化物や二酸化炭素の排出の少ない
次世代の自動車です。
名前の通り、天然ガスを利用した車。
1930年代に開発されましたが、
知名度はとても低いです。
燃料は、圧縮した天然ガスを使用していて
「Compressed Natural Gas」の頭文字をとって
「CNG車」とも呼ばれています。
天然ガス自動車とガソリン車を比較すると、
二酸化炭素の排出量が2割削減できる
というのが特徴となっています。
メリットとしては、
酸性雨や光化学スモッグ(視界を悪くする気体成分)が起こる
NOx(窒素酸化物)・CO(炭素)・
HC(炭素水素)の排出も抑えられるため、
人間に害のある黒煙が出ないということです。
エンジンの仕組みとしては、
ガソリン車と似ているので、
騒音や振動にも優れています。
また、気体燃料ということで
低温下(冬場)でもエンジンの始動が、
ガソリン車よりもスムーズにできるのがメリットですね。
天然ガス自動車のデメリットは?
環境に優しいだけでなく、
人間にも優しい自動車ですが、デメリットもあります。
ますは、知名度が低いということ。
中国・イラン・インドなどを中心に、
世界各国では普及が進んでいます。
天然ガス自動車保有台数1位は中国で、
500万台以上にものぼっています。
日本では、およそ5万台にも満たないのです。(2020年時点)
最大のデメリットは、
価格がガソリン自動車の倍以上になるということ。
「天然ガス自動車」という車両に、
かなりのコストがかかっているようです。
また、給油の場所が少ない
というのも問題になっています。
日本全国で、およそ180カ所。
しかも、ガソリン車と比べると
走行距離が短いのもデメリットです。
給油場所が少ない上に、
走行距離も短いとなるとますます不便ですよね。
地球温暖化が問題視されているため、
環境対策として取り入れが開始しましたが、
コストや寿命を考えると、
必ずしも改善されるとは言い切れないのです。
天然ガス自動車には燃費という考え方はあるの?
燃費のいい自動車といえば、
- プリウス(40.8㎞/ℓ)
- フィット(38.6㎞/ℓ)
などがあげられます。
天然ガスとは、「気体」ですよね。
そもそも、燃費がいい・悪い
という考えがあるのか調べてみました。
まず、燃料価格からどのくらい差があるのか比べてみます。
ガソリン1500㏄車
- 天然ガス
燃料単価 100.31円=消費率 18.9㎞
→ 1㎞あたり、5.3円 - ガソリン車
燃料単価 136円=消費率 15.8㎞
→ 1㎞あたり、8.6円
40%ほど天然ガスのほうがお得になる計算になります。
ディーゼル 2t車
- 天然ガス
燃料単価 100.31円=消費率 4.66㎞
→ 1㎞あたり、21.53円 - ディーゼル車
燃料単価 128円=消費率 4.90㎞
→ 1㎞あたり、26.12円
20%ほど天然ガスのほうがお得になる計算になります。
燃費とは、1ℓあたりに走行できる距離をさします。
しかし、ガソリンやディーゼルとは違って、
天然ガスは気体のため液体表現ではないです。
1ℓに対してではなく、1㎞に対してとなります。
燃費という表現があっているか
と言われると、少し違うのかもしれませんね。
まとめ
- 天然ガス自動車が、日本では普及が遅れている
- 有害物質の排出が少なく、ランニングコストがいい
- 車体のコストは、ガソリン車に比べると2倍近くになる
- 天然ガスは、気体のため1㎞/ℓ単位での表現はない
地球環境にも、
人体にも優しい自動車として、
世界的に普及しつつある天然ガス自動車。
日本では、
コスト面が負担になっていることから、
大型トラックやバス、タクシーといった
大手会社が取り入れているくらいです。
まだまだ知名度が低い状態なのが分かります。
天然ガス自動車の購入を考えている人は、
給油場所の確保が重要になってくるかもしれませんね。
これから日本でも、
天然ガス自動車が普及していき、
より環境に優しい生活を送れるよう
私たちも意識していくべき局面を迎えています。