人型ロボット「ASIMO」が
2022年3月末をめどに引退することとなりました。
ASIMOを基礎として、
遠隔操作のアバターロボや
ロボティクスの研究開発を強化していくことが
その理由であるそうです。
1996年、ASIMOの登場は衝撃的だった
人の動きは簡単なようで非常に複雑。
漫画で描かれるような
二足歩行の人型ロボットの実現は
難しいのではないかと言われていました。
しかし自動車メーカーのHONDAは秘密裏に研究開発。
1996年に発表したときは世界中に大きな衝撃を与え、
2000年には紅白歌合戦にも参加し話題となりました。
数々の進化を遂げていったASIMO。
しかし、ロボット開発技術自体も
世界的に大きな幅と広がりを見せていきました。
様々な発展の中、
二足歩行の人型にこだわる必要性も減り、
またこれ以上開発に進展を持たせることが
難しくなったことも理由であったようです。
さて、そんなASIMOの歴史と進化の過程について
簡単にご紹介していきましょう!
ASIMOのこれまでの歴史・奇跡!どんな進化を遂げた?
![](https://zen-tokyo.jp/wp-content/uploads/2022/04/ASIMO1.jpg)
前述の通り、秘密裏に開発されていたASIMO。
二足歩行ロボットは早稲田大学の
研究開発が最先端であると考えられていた当時。
突如として1996年にプロトタイプモデルが発表されました。
その時点で大学の研究を
遥かに凌駕していた技術は
世界中のロボット開発者い衝撃を与えています。
プロトタイプモデルは
まだまだ無骨なフォルムでしたが、
その後、人に外観を近づけた改良型を経由した上で、
現在のASIMOは2000年に発表されています。
1986年に開発された初期型は足だけのモデル。
一歩進むのに15秒かかっていたそうです。
![](https://zen-tokyo.jp/wp-content/uploads/2022/02/おじいさん.png)
歩いているだけで驚いたもんだ。
![](https://zen-tokyo.jp/wp-content/uploads/2022/02/おばあさん.png)
そうですねぇ。びっくりしましたねぇ。
まだまだ自立歩行は遠い話であったようですが、
1992年には自立歩行、1993年には
階段の上り下りや障害物を越えることが
できるまでに進化しています。
ASIMOは登場時点から先を見越した開発が進んでいました。
足だけでほぼ人間の二足歩行に近づいた段階…、
- 同じく1993年に完全な自立歩行を目指すために上半身も開発。
- その3年後に電源を内蔵し完全に個体だけで歩行を実現。
進化するごとに、世界中を驚愕させたのです。
また改良を重ねていくことで、
2000年代に入ると、
歩行速度も時速1.6kmから2.7kmに向上。
また歩くだけでなく走ることも可能となり
最高時速は時速9kmまで達することが可能となりました。
なんと片足ケンケンや
連続した両足ジャンプも出来るほどになったのです。
歩行機能に関して、
ほとんど人間と変わりないところまで進化していたんですね。
歩く、走るだけの行動ではなく
音声認識、障害物回避などの機能も備わり、
人間3人の同時に発した音声も認識できるほどに能力は向上しています。
![](https://zen-tokyo.jp/wp-content/uploads/2022/02/子供男性1.png)
3人の人の声が全部わかるの?!すごいよ、ASIMO!
それに加えて手の機能も進化し、
水筒を開けて飲み物を注いだりといったことも
軽々とこなしてしまうまでに進化しています。
なんと人間以外で初めて
ニューヨーク証券取引所の
始業ベルを鳴らしたとして記録に残っているほどです。
もはやここまでくると、
人間と変わらぬ仕事ができるのでは
と思ってしまいますよね。
実際にHONDAは、ASIMOで培った
様々なロボット技術をもとに、
東日本大震災で被害を被った
福島原発内で活用する
災害ロボットの開発も行っています。
原子炉付近は
人もなかなか近づき難い場所ですが、
人と同じような行動を取れるのであれば
ロボットを活用しない手はないですよね。
ただそんなASIMOも、
2016年の段階で新型の開発を中止となり、
2022年にはHONDAのショールームなどで
働いていたASIMO達も一定の役割を終えた、
と判断され表舞台から姿を消すこととなりました。
丸みをおびた可愛らしい姿が見れなくなるのは残念ですね。
現在のASIMOの値段はいくら?フィギュアやプラモデルは売ってる?
![](https://zen-tokyo.jp/wp-content/uploads/2022/04/ASIMO3.jpg)
もう姿が見れなくなるASIMOですが、
誰か個人で持っている人はいないのでしょうか?
ASIMOは残念ながら
市販はされていませんでしたので、
期待はできなさそうです。
そのためASIMOの販売価格は不明ですが、
レンタルはできていたようです。
気になるレンタル費用は1日200万円、
1年間では2,000万円だそうです。
1年間の方が断然お得ですが、
1日にしろ1年にしろ個人負担は難しそうですね。
発表当初はASIMOはHONDAの社員であり、
外に出て仕事をするといった位置づけとされ、
その費用ということでしょうか。
また本体は引退しますが、
HONDAの公式オンラインショップでは
関連グッズの販売は継続していくそうです。
ASIMOの可愛らしい姿、グッズで残るのは嬉しいですよね!
まとめ
今回はASIMOの引退についてみていきました。
- ASIMOの引退の理由は、更なる開発のため。
- ASIMOは進化する度に世界中に驚きを巻き起こした。
- ASIMOは個人向け市販はなし!レンタル費用は1日200万円!!
引退はすれどもHONDA内での
ロボット開発が終わったわけではありません。
ASIMOで培った技術をもとに
更に開発は続いていくそうです。
いわば携帯電話がガラケーからスマートフォンに
置き換わっていったかのように、
時代の趨勢によりその姿を消す、
ということであると思います。
電話機能は無くならないように、
自立型二足歩行という当初に掲げられた
開発理念は連綿と受け継がれ、
これからの世の中の様々なシーンで活躍することでしょう。