当社?弊社?どっちも同じだよね…?
何が違うか全然慣れないや…。
どうやって自分の会社を呼べばいいの?
「当社(とうしゃ)」、「弊社(へいしゃ)」、「小社(しょうしゃ)」、「自社(じしゃ)」等、自分の会社を指す言葉っていっぱいありますよね。
社会人になったからこそ、自分の会社の呼び方を知っておかないと恥ずかしい思いをします。
とはいえ、ついこの前まで学生だった新卒社員の方や、オフィスワークの経験が浅い方にとっては、これらの言葉の使い分けが非常に難しいところです。
この記事では、自分の会社を指す言葉の使い分け方法を解説します。
結論から申し上げると、上記4つの言葉の意味と用いるシーンは以下の通りです。
- 当社:社内の人に向けて使用。
- 弊社:クライアントや取引先等の社外の人に向けて使用。
- 小社:「弊社」と同じく社外の人に向けて使用。「弊社」よりもさらに自分の会社を卑下した表現。
- 自社:「当社」と同じく社内の人に向けて使用。基本的には後ろに単語を付けて使うことが多い。
早見表で何となくチェックしてみて頂いてもOKですが、もっと詳しく知っておきたい方は、記事を参考にしてみてください。
自分の会社の呼び方の使い分け!社内はどの呼び方を使うべき?
先程記載した通り、社内で自分の会社を呼ぶ際に使用する言葉は「当社」が正解です。
ではなぜ「当社」が正解なのか、解説します。
「弊社」の「弊」という漢字には、ぼろぼろになる、ついえる等、あまりよくない意味があります。
従ってこの漢字を使用することで、よりへりくだった表現となり、相手に対し敬意を示すことができます。
それに対し、「当社」の「当」という漢字には、この、その、あの等、そのもの自体を示すことにとどまり、へりくだる意味はありません。
そのため、クライアントや取引先等の社外の人に向けて使用する際は「弊社」を、社内の人に向けて使用する際は「当社」が正解となります。
「弊社」は謙譲語、「当社」は丁寧語と表現すると、より分かりやすいでしょうか。
では「当社」と「弊社」を使用する例を以下に挙げます。
「当社」を使用する場面と例文
- 例1:社内セミナーにて
「今年の当社の売上目標は○○円です。」 - 例2:社内会議にて
「次年度に向け、当社の新規事業を本日の会議で決定したいと思います。」
「弊社」を使用する場面と例文
- 例1:クライアントとの商談にて
「弊社とご契約いただき、誠にありがとうございます。」 - 例2:取引先との打ち合わせにて
「弊社では次年度より、新たにIT業界への参入を検討しております。」
「小社」と「自社」の意味
同じく自分の会社を示す言葉に、「小社」と「自社」という言葉もあります。
ではこの2つの言葉はいつ、どんな場面で使用するのでしょうか。
結論から言えば、「当社」と「弊社」さえ使い分けができれば、「小社」と「自社」は無理に使用する必要はないでしょう。
え、じゃあ全く同じ意味なの?
「小社」も、「弊社」と同じく自分の会社を謙遜する表現です。
〇 「小社」
「小」の漢字が使用されていることにより、謙遜の意味プラス「相手の会社よりも規模の小さな会社」という意味合いが込められます。
これは、弊社よりもさらに自分の会社を卑下した表現となります。
社外にて自分の会社を示す際に「小社」という言葉を使用しても問題ありません。
ただし「弊社」という言葉の方が一般的に使用されます。
また、大企業が使用すると嫌みに聞こえてしまう場合もありますので、基本的には「弊社」を使用する方が無難でしょう。
〇 「自社」
「自社」は、字のごとく自分たちの会社を示します。謙遜の意味はなく、表現の丁寧さでは当社に劣ります。
「自社製品」や「自社株」等、基本的には後ろに単語を付けて使用されることが多い表現です。
コミュニケーションの中で自分の会社を示す際に使用することは、一般的ではありません。
その場合は、「当社」を使用する方が確実でしょう。
社内・社外のメール!自分の会社の書き方は?
相手の会社を示す際は「御社(おんしゃ)」、もしくは「貴社(きしゃ)」という言葉を使用します。
この2つの言葉の使い分けは下記の通りです。
- 御社:話し言葉。口頭でコミュニケーションをとる際に使用。
- 貴社:書き言葉。資料やメールなど、文面で使用。
このように文章では、相手の会社を表現する際は使い分けに必要なので気を付けましょう。
では、自分の会社の呼び方はどうでしょう。
相手の会社使い分けがあれば、話し言葉も書き言葉同様、区別する概念はあるのでしょうか?
「当社」と「弊社」は、文章で使っても大丈夫かな。
答えは、自分の会社を示す言葉には、話し言葉と書き言葉を区別する概念は基本的にありません。
メールでも同様の使い分け方で大丈夫です。
社内へメールを送る際は「当社」を、社外へ送る際は「弊社」を使用しておけば、まず変なミスにはなりません。
自分の会社の呼び方【面接編】どのように表現したらいい?
では転職活動の面接時に自分の会社の呼ぶ際は、どの言葉を使うのでしょうか?
面接官は社外の人であり、相手を謙遜するためにも「弊社」と表現するのでしょうか?
これは、「弊社」でも間違いではありません。しかし、面接の際は「現職」という言葉が最も適切でしょう。
なぜなら、転職活動は会社の一員としての仕事ではなく、あなたの個人的な活動だからです。
「弊社」と言ってしまうと、自分がその会社の一員、あるいは代表として話している印象になってしまい、面接官によっては違和感をおぼえるかもしれません。
転職活動時は「現職」、「現在の勤務先では」と表現しましょう。
面接時に「弊社」「現職」を使用した例文での比較
- 『「弊社」では食品業界をメインターゲットに、営業活動をしています。』
会社としての活動と捉えられる可能性があります。 - 『「現職」では食品業界をメインターゲットに、営業活動をしています。』
あなた自身の活動と捉えられ、正しい意味で通じやすいです。
まとめ
数ある自分の会社を指す言葉の使い分けについて、解説しました。
それぞれの言葉の意味は下記の通りです。
- 当社:社内の人に向けて使用。
- 弊社:クライアントや取引先等の社外の人に向けて使用。
- 小社:「弊社」と同じく社外の人に向けて使用。「弊社」よりもさらに自分の会社を卑下した表現。
- 自社:「当社」と同じく社内の人に向けて使用。基本的には後ろに単語を付けて使うことが多い。
- 現職:転職活動の面接時に、自身の仕事や実務内容について説明する際に使用。
基本的には社内の人に向けて使用する際は「当社」、社外の人に向けて使用する際は「弊社」が適切です。
転職活動の面接時に自身のことについて話す際は「現職」「現在の勤務先では」と覚えておけば、恥ずかしい思いをすることはなくなります。
ぜひお仕事に活かしてみてくださいね。